うつの中医学的考え方②

2023年02月24日

実証のうつとしてもう一つ、痰鬱とよばれる、痰湿によるうつです。肝と脾の相克による肝脾不和や、食習慣の不摂生で脾の運化機能が悪くなることで、湿を生じ痰が溜まることで、痰が胸のあたりにたまります。いわゆる梅核気と言われるものです。咽喉中にものが詰まった違和感があるが吐き出せない、飲み込めない状態です。気の流れが悪いので、胸に圧迫感もあります。痰湿タイプの人は大きなストレスがなくても気滞になりうつを起こしやすくなるので注意が必要です。また「胸」なので肺の変調も起こしやすいです。気がスムーズに流れないので、本来肺の機能である粛降が出来ず、(吸い込んだ気を下に降ろす)呼吸が浅い、苦しいという症状とともに、咳やくしゃみなども起こります。実証のうつが慢性化すると、気血が消耗されていきます。そうすると今度は虚証のうつに移行していきます。

「憂鬱傷神」というようなのですが、慢性化した憂慮によって心気を損傷し、また血も消耗し、心神が養えなくなり、心神不安になります。うつだけでなく躁状態も起こってきます。怒ったり泣いたり精神が安定しなくなります。