更年期障害の中医学的考え方④

2022年08月23日

イライラよりも、落ち込みや倦怠感、無力感が目立つ更年期障害は「心脾両虚」タイプです。心脾両虚は、その名前の通り、心と脾が両方虚している状態です。

元来、思い悩みやすいタイプでいろいろなことに対して気にしやすい。食事時間が不規則だったり、好き嫌いをして栄養が偏ってしまうことで脾も弱いほう。頑張り屋さんで、仕事や家事、育児にがんばりすぎてつねに過労状態。そんなタイプのかたが陥る更年期障害がこの心脾両虚タイプになります。

主要な症状は、動悸、ため息、倦怠感、無力感、眠りが浅い、夢を多く見る、めまい、健忘、食欲不振、自汗、ぼんやりする、月経量は多いあるいはだらだらと続く漢方薬では帰脾湯(あるいは加味帰脾湯)を使いますが、漢方茶であれば夜交藤となつめがおすすめです。

脾が弱って血が不足しているので、食生活を見直し、血を補う食材をとる、よく休む、気分転換をするといった養生も必要です。

以上、色々と説明してきましたが、纏めると、1.補腎(陰または陽)2.理気活血3.補血、補脾を基本に考え、症状に応じてホットフラッシュがひどい場合は上熱を冷ますといいでしょう。更年期障害、とひとくくりで考えずに、自分がどのタイプなのかを見極めて適切に対処することが大切です。